KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

ミシャが来季、札幌へ。

以前から日本のどこかのクラブに行くんじゃないかという話はチラホラ聞いていたので、びっくりはしませんでした。ただ、浦和で解任される直前の試合が札幌だったことを思い出すと、面白い決断だなと思います。

その結果、関係者によりますとコンサドーレペトロヴィッチ氏のこれまでの実績や育成に熱心な姿勢などを評価し、来シーズンから監督を務めることで1年契約で基本合意したということです。

引用元:サッカーJ1 札幌 新監督にペトロヴィッチ氏 | NHKニュース


外国人監督は、基本的に就業上の規約から単年契約です。浦和の時も毎年契約を更新していました。今まで、日本では広島と浦和の2クラブを経てきました。それぞれ就任しての順位は以下の通りです。

ペトロビッチ監督順位推移


広島:
2006年(13節から) 10位
2007年 16位(降格)
2008年 J2優勝(年間勝ち点100)
2009年 4位
2010年 7位
2011年 7位

浦和:
2012年 3位
2013年 6位
2014年 2位
2015年 3位(2ステージ制で1stステージ優勝)
2016年 2位(勝ち点1位ながらCSで鹿島に敗れる)

広島の時に、1度降格をしていますが、この時は選手の補強がうまくいかず、前年と同じ選手で戦ったため、研究されてしまったようです。浦和の時のようにうまく補強ができると継続した強さを発揮できる監督です。

広島、浦和、札幌の営業収益を比較(2016年度決算を参照)。


広島 37.9億円
浦和 66億円
札幌 19億円

この時の札幌はJ2の収益なので、今年はもっと営業収益が上がっているはずです。2015年にJ2だった磐田、大宮、福岡は2016年にはおよそ2〜3億円、収益が多くなっています。札幌もおそらく今期の営業収益は22億円くらいではないでしょうか(DAZNマネーでもう少しぶれるかもしれません)。

札幌は第3者割り当てで、約8億円ほどの増資をする予定なので、おそらく30億円規模のクラブになりそうです。

どういう選手を呼びそうか?


Twitterなどでは、森脇、駒井、李忠成など、堀監督になって出場機会が減っている選手の名前が挙がっています。ここで、選手の平均年俸を確認してみると(2017年シーズン)、

広島 2603万円
浦和 4106万円
札幌 1532万円

となっています。森脇7000万円、李忠成5000万円、駒井3000万円です。いずれも札幌の平均年俸を大きく超えています。さて、年俸が半減しても札幌に来てくれるか、どうでしょうか。

ただ、サッカー選手は試合に出てなんぼというところがありますので、ミシャが大好きであれば、給料が下がっても移籍するという選手もいるかもしれません。ミシャが浦和でブイブイ言わしている時は、「サンフレッズ浦和」なんて皮肉を言われたものですが、それは元広島の選手を多く呼び寄せたからです。

札幌に浦和の選手をたくさん呼び寄せるかというと、広島→浦和のようにスムーズには行かないでしょう。来季の補強がうまくいけば、今年の順位(この記事を書いている段階で12位)よりも上に行きそうです。

ミシャのシステムは、特に攻撃の部分で構築するのに時間がかかります。システム構築に時間がかかると、もしかすると来季は降格ということも否定できないです。札幌は増資をしたり、グッズ販売に力を入れたり、かなりJ1残留への想いが強いです。そこで、降格なんてことになると、お互い辛いことになるでしょう。

逆に、補強もうまくいって、試合も勝ち点を重ねることができれば、1桁台の順位も夢ではない監督です。その辺りのサッカーの偶然性(運良く勝てる)というのは、サッカーデータ革命という本に載っています。なかなか一筋縄ではいかないのがサッカーです(だから面白い)。
 

サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

 

 

まとめ


順位予想はしません(苦笑)。サッカーの順位予想は、プロの解説者でも難しいです。ミシャも日本に来てずいぶん経ちますし、広島に来た頃よりはノウハウもたまっているはずです。今の状況としては、ミシャ1年目の札幌は、個人的には、7〜10位に収まっても不思議ではないです。フロントがどれだけ監督をサポートできるかにもかかっているでしょうね。