KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

ハリルホジッチ監督、大久保を選ばない理由を語る。

今回のキリンカップで、代表メンバーが発表されました。初選出として川崎フロンターレの大島と、ジュビロ磐田の小林が呼ばれました。面白いのが、3年連続得点王を取った大久保について、なぜ選出しないかをハリルホジッチ監督が語っていることです。

「大久保は1度合宿に呼びました。一番よいゴールゲッター。まれなゴールゲッターです。2、3メートルでゴールを決めることができる。かつて、A代表で活躍していた映像も見た。ただ、年齢も考えないと。そしてなぜ、A代表で多くの結果を残していないのかも考えないと。
ハリル監督、大久保落選「生きるイメージ湧かない」 - 日本代表 : 日刊スポーツ


今までの代表監督って、選ばなかった選手についてはほとんど語っていません。ところが、ハリルホジッチ監督はガンバの遠藤に続いて、大久保についても選ばない理由を語っています。僕はこのことについて好感を持っています。

おそらく「なぜ大久保を選ばないんだ!」という声に配慮して話しているのだと思いますが、例えばザッケローニ監督は呼ばない選手のことについて多くは語らない人でした。ハリルホジッチ監督は、旧ユーゴスラビアの出身で、さらに言うとボスニア・ヘルツェゴビナの人間です。オシム監督と同じですね。

実は、ハリルホジッチ監督は、選手生活に引退を告げた後、ボスニアで飲食店や衣料品店を立ち上げますが、紛争によってその資産を失います。紛争によって人生を考えざるを得なかったという背景があります。こういう人は、監督になった場合、選手個人について深く考える傾向にありますし、大事に思う部分もあることでしょう。サッカーと人生がリンクしているキャラクターを持っていると思います。

そういう意味で、呼ばれない大久保について配慮している、選手のことを大事に思っているという点で個人的に好感が持てます。

ちなみに、なぜ大久保を呼ばないか、というのは、今の日本代表におけるシステムにそぐわない、というのが大きな理由になっているようです。例えば、1トップで出場したときに、2列目である本田や香川、清武などはそれほどクロスを供給するタイプではありません。大久保の場合、2〜3メートルの動き出して勝負するタイプですから、ゲームを組み立てたり、守備に走ったりするというのは、川崎の試合でもあまり見られない部分です。

そういう部分で呼ばないでいる、と言うことです。ただ、記事の中でにもありますが、何十回も悩んだ末での招集見送りだと監督は言っています。代表監督というのは、いろいろな部分に神経を使っていかないといけない仕事ですね。