KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

薬局の機能とは(日経の社説から)

昨日の日経朝刊・社説で「薬局の機能を高め医療の効率化進めよ」という記事がありました。現状の薬局とこれからのあるべき薬局について日経のベテラン記者が書いています。

薬局や薬剤師のあり方が問われている。どのように患者の役に立っているかがわかりにくいことが大きな原因だ。医療の質や安全性を高め、膨張する医療費を抑えるといった役割を明確に担えるよう、制度の見直しや関係者の意識改革が求められる。
(社説)薬局の機能を高め医療の効率化進めよ  :日本経済新聞


エムスリーで配信されるメルマガなんかを見ていると、薬剤師って割と自虐的な人が多くて、「世間的に薬剤師って役に立ってないよ。」とか「薬局ってこれから大丈夫なんだろうか。」とかそういうタイトルが並んでいます。みんな、自分の将来に不安を感じてるんですね。

ただ、客観的に物事を考えて、患者さんの薬って誰が管理するの?という話になったら、医師は診断でそれどころではないし、看護師は処置や、採血などでやっぱり忙しい。病棟では看護師さんが薬を管理している場合もありますが、薬局でチェックされた薬である場合が多いようです。

団塊の世代が75歳以上となる2025年にむけて、医療の世界はますます大事になってきます。昔より薬も複雑になってきて、飲み合わせだけでなく、飲み方や使い方もきちんと説明しなければいけません。これはやはり薬剤師は重要な立場だと思います。なぜなら、良い薬をお医者さんが出しても、きちんと服用できないと意味がないからです。

そして、薬というのは高額なことが多いです。いろいろな病院から同じような薬を処方してもらって家にたくさん薬が余っている、なんて患者さんもいます。いわゆる残薬問題です。これが積もり積もってくると、膨大な金額が残薬として残ってしまいます。どこからその薬代が出ているか?社会保障費(医療費)ですね。とてももったいない。

さらに、その残った薬を間違って飲んじゃった場合なんか大変です。貧血の人が間違って血糖降下薬なんか飲んじゃった日にはますますふらつきが強くなって、倒れて大けがなんてことになりかねません。

それを管理するのは薬剤師。

社説では、「かかりつけ薬局」という意識を高めよう、なんてあります。理想を言えばそうですが、在庫という面で考えるとかかりつけ薬局もなかなか大変なことではあります。そういう部分をどうやってクリアするか、でしょうね。薬歴書いてない薬局のこととか、資格がないのに調剤しているとか、薬剤師の品質を落とすようなことはさすがにやめたいですね・・。