KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

【Jリーグ】浦和対ガンバ大阪(2015年1stステージ)

おそらく2015年1stステージで、最大もしくはそれに近い山場になるであろう首位決戦、浦和レッズガンバ大阪を観てきました。個人的にはJリーグで、今最もホットな対戦だと思います。オシムさんが言った「ナショナルダービー」の名前に恥じない、実力伯仲のナイスゲームでした。

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去年の11月22日、Jリーグ第32節でやはり首位決戦があり、この試合で浦和は負け、そして優勝を逃しました。試合は終始浦和ペースでしたが、最後に攻撃の人数を増やしたため、カウンターの憂き目に遭い、破れてしまいました。

33節の鳥栖戦、最終節の名古屋戦でも勝負弱さを露呈してしまい、ネットでは「浦和はサポーターは多いが、勝負弱い」というような文章も目にしました。僕も試合を見ていて、選手を見ていて、終盤の安定感もなく、自信なげに守備をしているなと感じました。

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しかし、前節の甲府戦、その前の名古屋戦やさらにその前の横浜FM戦を見るにつけて、攻め急がず、じっくりと腰を据えて攻撃する空気を感じ始めました。今日のガンバ戦が終わった後にキャプテンの阿部ちゃんが言っていましたが、「我慢」が一つのキーワードになっているようです。

浦和はポゼッションが高いですが、得点数はそれほどでもなく、1試合に3点以上入れることはあまり見かけません。決定力が弱いと言えばそうでしょう。攻めても攻めても点が入らないので、焦れて槙野や森脇が必要以上にオーバーラップし、その裏を突かれて失点というシーンをよく見かけました。

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ここ数試合は、そういう悪い癖が修正されてきており、得点できなくても焦らずに我慢して攻撃し続けると言うことができています。「どっしり感」を感じ始めました。そして今日のガンバ戦。

宇佐美やパトリックを抑えつつ、ポゼッションを高めてガンバゴールに何度も迫りながら前半は無得点。後半に入ってもなかなかこじ開けられず、80分も過ぎてきました。平川から関根に変わって変化は感じましたが、それ以上に浦和の雰囲気に焦りを感じていないことがとても大きかった。

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今までの浦和なら、「どうしてこんなに攻めているのに点が入らないんだ!」という雰囲気が出てきて、我慢できずに前掛かりになっていました。もしくは、点が入らないなら同点狙いに行くかということで、ボランチに変わって永田充が入る、というような消極的な展開もありました(別に永田が悪いわけではない)。

今日のガンバ戦はそのどちらでもなく、80分を超えても愚直に同じ攻撃を続ける浦和レッズがそこにいました。「ゴール」という施錠が開かないなら、何度でもトライしてやるよ、という空気が埼スタに満ちていました。

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そして、後半84分、見事な連携、崩しからズラタンによるゴールが生まれました。このゴールは熱かった。なにか浦和というチームが一皮むけたような、脱皮したようなゴールでした。宇賀神の長いスプリントから生まれたアシストも素晴らしかった。

試合後のインタビューで阿部ちゃんは、「ガンバに勝つことが目的ではない。」と言っていましたが、おそらく選手の中には大きな手応えみたいなものがあったはずです。「Jリーグタイム」で宮澤ミッシェルさんが言っていましたが、「このやり方で良いんだ!というものが浦和には見つかったんじゃないか。」というコメント通りだと思います。

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ACLは本当に残念な結果でしたが、「非常に強い浦和」がここから見られる気がする、そんなナショナルダービーでした。大満足な試合内容でしたよ。ビッグフラッグの写真はもうちょっときちんと撮りたかったけれども・・。