KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

20141120 ある中国人の患者さん

留学生やら、仕事やらで日本にもたくさんの中国人が来ています。このブログを読んでいる皆さんの周りにも中国人がいることでしょう。今日はうちの薬局に来た中国人女性の話。



写真は、中国のポカリスエットです。2010年に、上海万博に行ったときにゲットしました。

今日の午前中に、とある患者さんがいてジェネリック医薬品について説明をしていました。そうすると、その男性の患者さんは、「そのジェネリックってのは、あれか、いかがわしい中国で作られたような薬か?」と聞いてきました。「ジェネリック医薬品は中国製ではありません。日本で作られたものです。」と答えました。それで、その患者さんは先発薬のまま帰りました。

問題は、その患者さんのすぐ後に中国人の女性患者さんが待機していたことでした。仮に、ここではEさんと呼びましょう。

Eさんは、言葉には出しませんでしたが、明らかに不機嫌な表情でした。これはまずい、と思いました。先ほどの患者さんに、自分の国を馬鹿にされたような気分になってしまったのでしょう。僕は投薬をする時に、「申し訳ありません、嫌な思いをされたでしょう。」と言いました。

その人は黙ってうなずきましたが、すぐに返答の言葉を発してきました。「でも、しょうがないです。テレビを見ると中国の嫌なニュースばかり流れてきます。日本に来るまでこんなに中国のマイナスなニュースばかり流れているとは知りませんでした。実は、中国は日本のマイナスなニュースばかり流れています。日本に来てから、日本のいいところをたくさん知りました。周りの日本人もみんな優しい人ばかりです。親にも一度日本に来てもらいましたが、来る前は嫌な気持ちがあったみたいでしたが、来てからは、とてもいいところだと言っていました。」

Eさんは、日本に来てから顔にたくさんニキビができてしまいましたが(水が合わないのかも)、それで特に日本のことをあれこれ言うようなことはありませんでした。ちなみに、中国でもともと働いていて、1年間の期限付きで出向してきているのだそうです。

ニュースを見ると小笠原諸島の珊瑚を中国人がとって行ったとか、尖閣の問題もあります。また、中国といえば空気が悪いというような話もあります。確かにマイナスなニュースばかりです。みんな同じようなニュースを見ていますから、日本国民に中国の悪いイメージがついてしまっているのではないでしょうか。というか、ついているでしょう。

日中で仕事をしている企業の話はよく聞きます。資生堂コマツなどは中国相手に仕事をしていますし、ツムラ漢方薬はほとんど中国で原料を調達しています。おそらくそこでビジネスをしている人は、お互いの国に関してそれほど悪いイメージは抱いていないでしょう。

今日の患者さんとのやりとりは、せっかく地理的に近くにいるのだから、お互いにもう少しいいニュースを取り上げて、国民感情を和らげていけばいいのになと思った出来事でした。ただ、アメリカとの関係もありますから、難しいところはあるのでしょうね。