KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

「マネジメント」拾い読み:仕事と労働

GWにドラッカーの「マネジメント」を読んで、感想をブログに書こうと思ったんですが、あまりにも重厚すぎて「1冊さらっと読んで、さらっと感想を書いちゃおう。」と言う気になれなかった。だったら心に響いた箇所を、その都度ブログに書いていけば良いんじゃないかと思いタイトルに「拾い読み」とつけました。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則


エッセンシャル版の57ページに「仕事と労働」という項があります。簡単な言葉ですが、例えば会社の先輩に「仕事と労働の違いって何だ?」といきなり聞かれても答えられないです。「マネジメント」にはその答えがびしっと書いてあります。

仕事と労働(働くこと)は根本的に違う。(略)仕事の生産性を上げる上で必要とされるものと、人が生き生きと働く上で必要とされるものは違う。(略)働くものが満足しても、仕事が生産的に行われなければ失敗である。逆に仕事が生産的に行われても、人が生き生きと働かなければ失敗である。

仕事と労働は根本的に違うので、その2つの軸からマネジメントを考えなければいけないということです。次のページには、「仕事とは何か?」や「労働における五つの次元」というタイトルでそれぞれ解説してあります。仕事は、課題であり論理的に考え分析し、アプローチしていくものである。労働は人間の本性であり、論理ではない。そういうことが書いてありました。

この項の最後には、ドラッカー自身、この二つの軸をバランスよく考えていくことは難しいことだと述べています。ただ、「この『仕事と労働』もマネジメントしなければいけない。何らかの解決策、あるいは調整策を見出すことが必要だ。」と締めています。仕事だけを考えればシンプルなのかもしれませんが、労働のことを考えると、いろいろな人の欲求を満足させるのはとても大変なんだと感じました。